【日刊レビュー】シルクドゥソレイユ・KA

シルクドゥソレイユ、名前は聞いたことあっても、その実態がいかほどのものかさっぱりわかってなかった+とにかく世界1と評されるアクロバットショーとのこと。

知れば知るほどそのド級スケールは想像の外。

そもそも、シルクドゥソレイユは一箇所じゃなくて世界中にフランチャイズされてる吉本興業みたいなもの。

吉本が各地にルミネみたいなシアターを持ってるように、ラスベガス中のカジノホテルが「うちに入ってるシルクが一番さ!!」と言わんばかりの馬鹿でかいシアターを各自で持ち、それぞれ別の世界観の講演をしてるという。いつの間にか「どんだけ凄いシルクを演ってるか勝負」の街になってたラスベガス。カジノで勝負じゃなかったんすか??

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そのド級スケールのナンバーワンとも言えるのがこの「KA」。カーと読むらしい。

シアターの建設費なんと200億。なにそれ、六本木ヒルズとか買えるの?

山賊vs山賊の戦争を本当に100人くらいでやってくれるって世界観なのかシアター前から大木の展望台に潜む山賊さまがかっこいい。

シアター内も公演後は撮影OKらしかったので1枚だけ。劇場を囲むのはガチの山賊の砦+実際に山賊でひしめき合い弓矢が飛び交ったり空中戦やったり。

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そこまでは「なんつっても200億ですもんねぇ」という範疇でしたが、問題は舞台装置。

スーパーファミコン世代の人が口を揃えて「モード7」と呼ぶその舞台は、一部がせり上がるとかそんなケチなもんじゃなく、全面がぐるぐる回る上、あまつさえ完全に90度にそびえ立ってその上で見下ろし視点で戦ってたり、その上にプロジェクションマップでばんばんエフェクトが差し込まれたり、うかつに見たら「ええ?!?!どうなってんの?!?!」と軽くパニック物。

役者の体術が凄いとかそんな次元を遥かに超えた舞台全体のダイナミックな演出はワンピースで言うところの白ひげがグラグラの実の力で島ひっくり返すようなめちゃくちゃなインパクトでした。

その他、ガチで飛空挺スケールの船に山賊何十人も詰め込んで戦うとか、おまけに飛空挺ガンガン飛んでっちゃうわ。

お金で夢の世界を作るって鬼が出るか蛇が出るかわからない業の深い商売ですが、とてつもない発想と積み上げと稽古の織りなすスーパーアクロバットショーとして本当にとんでもないもの見せてもらったと感服。

かみさんが「お母さんに見せてあげたい」と言ってたのが印象的でした。

双璧をなすシルクドゥソレイユのショー、「O」についてもいつか書きたいと思います。