イマドキの面接のFAQ

不思議に好評?な求人ブログ(いつもリツィートありがとうございます)、今日は、連日の面接漬けで見えてきた最近ならではの質問を紹介したいと想います。


全職種必見?のFAQ、まず重要なところから


募集の締め切りは?

(株)ゼペットの開発者大募集の件、

プログラマーの倍率が上がり始めてるので、プログラマーについては12月26日(月)の23時59分までとします。

締め切り間にあわなそうだったら、ちょっとは融通しますので、応募の意志だけでも教えて下さい。

企画(ゲームデザインレベルデザイン)とグラフィックは来年も募集を続けると思いますが、2月1日からかなり充実した研修をする予定で、そこに参加するかどうかはかなり大きな違いになると思うので、応募意志のある方は、やはり26日までにお知らせいただいたほうがいいですね。機材の発注等ありますので。

来年も募集は続けますが、採用できる人数に余裕があるのは年内なので、気になる方はお見逃しなく!


応募ページはコチラ




Androidはやるの?


やりません!と言い切ると、もしなんかでヤッタ際にすげぇ煽られそうなので、軽々にやりません、とは言いがたいのですが。

やりません。

やるとしたら、なんかすげぇ大義名分(命の恩人50人くらいがウチに入社してAndroidをやりたいと切望するとか)が無い限りやりません。

なぜかといえば、嫌いだからとかじゃなくて、まず、思いっきりAppleの技術に習熟したチームを作りたいからです。

マルチ展開でちょっとした有利を作るより、iPhoneでエッジのあるアプリが出せる技術を磨く方がスーパー重要だと思ってます。


MobageGREEでゲーム出すの?

やりません!と言い切ると、もしなんかでヤッタ際にすげぇ煽られそうなので、軽々にやりません、とは言いがたいのですが。

やりません。

やるとしたら、なんかすげぇ大義名分(命の恩人50人くらいがウチに入社してGREEをやりたいと切望するとか)が無い限りやりません。

なぜかといえば、嫌いだからとかじゃなくて、まず、思いっきりAppleの磨きに磨かれた使いやすさ(UIフレームワーク)に習熟したチームを作りたいからです。

私見で言うと、

作る側の言い方で言えばMobageGREEも「ブラウザ主体のゲーム」で、今後はネイティブも強化してく流れですよねぇという言い方で。

ユーザー的な視点で言えば、せっかくクールでわかりやすいiPhoneなのに、Mobage/GREEのゲームの出だしって全てを台無しにする級の煩わしさと常々思ってて、わざわざそんなもんのっけようなんてどんな事情よ?(マネー?)という気持ちもあり。。

総合して言うと、Mobage/GREEがスマフォでも台頭する前からiPhoneの磨きに磨かれたUIにどっぷり浸かってゲームを作って来たので、それを打ち消すものは極力いれたくないんです。

ソーシャル要素をゲームに組み込むにしても、あのわかりにくさを入れるくらいなら自力でやりたい。と強く強く強く強く強く思ってます。

無論、両社とも時代のリーダーとも言える強力な会社なので学ばさせていただくことは多々ありますが、この両社用のゲームをどっぷり作ってことはないです。


新たな企業文化を創る

これは質問じゃないのですが、その手の話になると必ず話すのが、新しい企業文化を創る意義なんですよね。

これはジョブス御大の受け売りそのものですが「そうそう、それそれ!」と言わざるを得ないのは、クリエイティブとはカウンターカルチャーであるということ。

ジョブス流に言えば「Windowsなんてクソだ!正しいコンピュータやOSを0から創らねばならない」が最近では分かり安い話ですが、彼の源流は、コンピュータを創って売ってる企業はIBMしかなかったような時代にベンチャーでコンピュータ(初代Apple)を創って売るという、カウンターカルチャー(反逆者)成分100%の話です。

挙げ句の果てにはMacintoshを開発すると同時に、IBMをぶち壊すというモチーフで創ってしまったCMを作り、あまりの内容に発表直前は役員中がびびってどん引き「うるせぇ、オレはこのCMを自腹でも放映するぜ」という、どこまでもカウンターカルチャー野郎を突き抜けた伝説まであります。

そんなCMはコチラ



私のカウンターカルチャー根性

既にお気づきと思いますが、面接のFAQからかなり脱線してますが重要なことなのでこの点を力説。


まず、私が切望するのは、面白いゲームを創るためのアイディア、スタッフィング、チームのマインドセット、環境であり、そのための成長課題の設定やバランス感覚が自分にとって重要なんですが。。

このバランス感覚の置き所がクリエイティブの根源なんじゃないかな、と常々思っています。

これこそしょっちゅう聞かれる質問で「今、ゼペットは何人でやってるんですか?」「一人です」「ぎょぇー!まじすかー!」というくだりが創立以来の3年で何度かあったことか。

今は思い切り面白いゲームを人を増やしてたくさん作っていける基盤も整ってたので求人を始めたのですが、もともと、iYamatoとかプログラマー1人、デザイナー1人で一ヶ月で作る見込みでやったものの

こうした仕事で大手・中小がごった返すiPhone市場で戦えるというバランス的な感覚があったのと、なにより、ゲームは大人数で作るものだっていうカルチャーにカウンターパンチをぶち込みたい衝動が常々あったので、リリース直後ランキングをウナギ昇った日には、会社のサイズなんざ誰も気にしてないというのを証明できた気がして嬉しかったものでした。


会社のサイズという意味では常々よく聞く勘違いで、「FFチームとかよほどの大人数がいれば話は別だが」的な引き合いをたまに聞くのですが、恥ずかしながら自分がFF11作った時はPS2に関わったプログラマなんか3人だったんですよね(最終的にはもうちょっと増えるけど、基本少人数)。

なんで3人か、というと変な話で、作り始めた時はC++でやろうと決めてたのですがC++出来る人がほとんどいなくて、おまけに会社でC++を禁止にする論調が強くあって(公平性とか危険だとか言ってた気がする)、数年近くC++を使ってることを内緒にしてた。。な嘘のようなホントの話なのですが。

基本的に「えっへっへ、あっし、なんもしてませんて、ホントですよ旦那ぁ」と上司に誤魔化す日々を1年ちょいほど断行したのですが、「C++を使ったら無駄にバグるのでは!」な追求が激しかったので、ほぼ完成するまでろくに状況や進捗を公開できない状況で、気分は大脱走でした。

C++を禁止してC言語に統一したい論調の根源が「C言語だけにすれば全プログラマが作業できるので増員しやすい」だったので、議論以前に全部C++で作ってしまえば、「そんな増員いらない」と言えると思ったわけです。

元々、その前に作ってたクロノクロスのエンジンと設計は近かったので、プロジェクトの合間+出だしで半年くらいで作れると思ってまさに夜間に人知れないうちにトンネルを完成させるような勢いで進めたのですが、結局1年以上かかったものの、まぁ、これだけ動けば増員もへったくれも意見ないだろう、なものは何とか出来た感じになりました。

そんな調子で作ったFF11の名シーン集はコチラ(この動画の内容はプログラマは3人で1年ちょいくらいの仕事)


特に少人数にこだわったわけではないのですが、今となっては解説する手間もそんなかからないと思いますが、高度に管理されたオブジェクトやリソースを安全に動作させる動的な再配置やスワップなどの退避処理はC++じゃないと厳しく、そこがメモリの少ないPS2には生命線で、理解できない人が勝手なリソースを消費するようなプロジェクトだったら一瞬で破綻してたのは自明なのですが、その理解構築に数年費やすくらいなら自分で全部作ったほうが良いとプロジェクトの当初に見切って進めた仕事でした。

いわゆる「FFは大規模プロジェクト、大勢が働ける選択を尊重すべき」という既成概念的カルチャーにまっこうからカウンターした思い出なのですが、その時はジョブスのジョの字の意識もなく、既成概念の延長から生まれてくるであろうものより、前述したようにPS2の生命線を尊重したものを作るのが正しいという思いが芯にあったので、正直、理解を得られない時の上司からの評価は苦笑ものに最悪でしたが(全部完成してヒットした後、晴れて初任給から超昇給しました、ほぼMAXレベルに)、今でも誇りをもってやってよかったと思える仕事です。


ともあれ、FFを始め、素晴らしい製品ほど、強く偉大なイメージがある故に強大なモノ(得てして大人数)が作ったように思われがちですが、それはイメージから生まれる誤解に過ぎず、良い製品を作りたいと思うなら、自分がやりやすい最適な人数を考えて進めることがとても重要ということをこれらの実践で学びました。


少人数の持つ重要性とも言えますが、主要なITサービスや名作ゲームのほとんどは少人数から生まれており、大人数になるのは生まれたあとサポートしてるに過ぎないことが多いのです。


6人いればAppleを超えられる


ジョブスがAppleを追われて退職したあとに作ったNeXTコンピューターも、そんな本質を理解した人が集まったから出来たものでしょう。

NeXTコンピューターを作ると発表した時、Appleはジョブスを起訴しようとしますが、「たった6人の会社を起訴してどうするんだい?」とジョブスが逆に言い返すのは確信犯で、表向き、強者が弱小をいじめるのはよくないと言っているようですが、惰性になりつつあるAppleから、創造を担当する少人数が抜け出した末、生まれるモノに強い脅威を覚えるのは打倒な話でもあります。

そして、事実、NeXTはAppleが生み出せなかったもの(今、皆さんが使っているiPhoneを始め、Macに搭載されているOS)を創りだし、15年ほど前にAppleはその技術を吸収せざるを得ない状況になりました。

しかし、その結果に至るまでのジョブスへの声は、コンピュータの歴史に類をみないほど痛々しいものばかりで、王者のApple(もっと言えばビル・ゲイツ)、負け犬のジョブスだったのですが、その時代の人が「これで十分」と思ってるモノに強く「そんなモノ(Windows)は要らない、もっと良い物を創りクリエイティブになれ」と提唱し、ひたすらに仕事に打ち込んだそうです。

月並みですが、ジョブス伝記、絶対読んだ方がいいですよ!

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I


面接FAQの話

脱線長かったですが、実際問題、ウチに面接にくる人の多くが↑のような期待をもってる様子で、やっぱりAppleファンが多いですし、そういう人は決まって「ゲーム会社でそれを言ってくれる・やらせてくれる会社は初めてです!」と言われるのですが、確かに、ゲーム会社ってこんなシリコンバレー的なカウンターカルチャー丸出し根性ってあまりないとは思います。

(私がFF11で仕掛けたトンネル作戦みたいなのはシリコンバレーでもなかなか無いとは思いますが)

必然的ですが、これまで日本のゲーム産業は成長に成長を重ね、大企業ばかりになってる面が強かったですし、そうすると、流れにそって仕事を進めるプロジェクトが立ち上がりやすくなるので、そうなると、やはり前例にならう仕事が多くなってしまいがちかなとは思います。


そういう意味ではiPhoneではそれらの流れにない、全く新しいゲームがメキメキ生まれて非常に面白いのですが、そういうゲームを出すメーカーって、こぞって従来のゲーム会社じゃないんですよね。


中小で働く魅力


よく「大手にいくより中小のが面白い」という話もありますが、私の経験では間違いなくそうで、私自身、まるで大手とは言えない時期のスクウェアという会社に入り、その当時に開発したゲームの多くが20年を越えてもPSアーカイブのトップを飾ってるのを見ると「でかくないほうがイイ」とは個人的な経験では思ってしまいます。

端的に言うなら「同じ給料でるなら中小最強(※ブラック除く)」で、当たり前ですがいろいろヒットして上々(株式公開)とかしたら、公開の前からいるかどうかで連動する実入りもまるで変わってきます(だいたい、給料以外に株ボーナスが出るもんです。ウチもそんなことがあったら絶対考えます)。最近の業界を賑わす「超一部のスーパー優秀な人は初年度から年収一千万!!」って言われてるもらえるかどうかわからない話よりはこっちのは自分の経験的には現実味あったりします(※私、スクウェアの時はいろいろ不遇続きで給料低かったですが、勤続長かったからの株系では結構儲けはしました)
まぁ、ウチがどうなるかは今は言える時期じゃないですが、同じ給料で働くなら、そんなチャンスがあるほうがIT系として面白いところじゃないかなと。

重要なのは、自分の力でヒットに繋がるクリエイティブ性をちゃんと発揮できる場所で働くことであって、千人級の大手の会社に絞って一か八かで入って3年で辞めるんだったら、まず、やりやすそうなところで働きたいという気持ちを第一に考えて、いろいろ話を聞いて回るのがいいと思いますしね。

転職を考えてる経験者の方に考えてみて欲しいなと思う事こととして、面接した人の中には、これまでの定番ジャンル(RPGなど)の経験年数を伸ばす転職より、自分が監督・発明したゲームはXXとYYとZZと言えるタイトルが増える転職にしたいという人もいます。

そういう意識の人がウチに応募されるのもわかりますし、個人的にもそうしたいからこの会社やってるわけですしね。



就職への疑問・質問

単なる質問メールもちらほらいただきこまめに返してるものの、興味があるなら作品もって応募してくれれば良いのにと思うモノの、冒頭でお知らせした通り、意志があるなら今月に応募いただいたほうが良いので、その点、宜しくお願い致します。

聞かれても困る質問は「MobageGREEの求人内容ってマジですか?」なのですが、そう思ってしまう人は、一度私の会社のような中小スタジオは見に来てみるといいのではと思います。

応募するだけして、私と話してみるだけでもそれなりに面白いのではと思いますしね(こんな長いブログをここまで読んだなら)


特に、自分のセンスでこれからのゲームを塗り替えてやる!なグラフィックに人は会うだけで私が痺れるので、そんな出会いがこれからも沢山あることを期待しています。それこそカウンターカルチャーそのものですし、そんなグラフィックの人こそ超かっこいいんですよね。


しょっちゅう言ってるんですが、ベストiPhoneゲームのページのような、エッジのあるゲームを創りたくてたまりません。


そしていつも貼ってますが応募の詳細、条件等はコチラ。


ちょっと脱線多かったですが、このFAQでイメージが補足できれば幸いです。