ゲーム業界とAppleの激戦
今週は月曜から
と立て続けにプレスカンファレンスで今年の主力商品を続々と発表し、取り巻くファン一同ネットでリアルタイムにその驚愕の新兵器に一喜一憂をするというドリームウィークだったわけですが、毎年それがワールドカップ並に盛り上がるわけで、良くも悪くも激変の時代そのものを体感できる素晴らしさと余韻がまだ続いてるんじゃないかと思います。
あれが良かったコレに驚いた、という話以前に思ったのは、変な話、ゲーム業界の三つ巴の戦いに異様な引力を放って影響を出すアップルの存在。
端的に言えば「常にマンネリとゴシップ話に景気とか空気が流されがちのゲーム業界にハンパねぇ緊張感をぶつけるダークホース=アップル」のおかげって感じで、例年に比べて変なゴシップが各社の旗色に影響与えることも減り、純粋に未来のあれこれを多くの人が楽しみに、業界の人は「自分もこの激動の中なんかしなきゃ」と前向きな感じに、っていう、Apple信者的希望的感想を持ったりしました。
品揃えも豊富で
Apple: iOS5 / Lion / iCloud
Sony: PS vita
任天堂: Wii U
と各社の秘密兵器が炸裂。
とはいえ、気になるのは「それらでどれだけ楽しめるのか」「どれだけ便利になるのか・幸せになるのか」が焦点なわけで、「うほぉ!そりゃぁたまんねぇや!!」とよだれを飛ばしてリアルタイム中継にかじりついたあれこれなどをちょっと回想してみたりします。
っていうか「これ知っとかないと損ですって!!」とゲーオタ、ガジェオタ、テクオタとして思うわけで、それをブログに書かずしてなぜブログをやってるのかという感じっすよね。
うほぉ!と思ったゲーム達
まさに夢のようなゲーム達。たまらんす。
それとは別に、E3のヘッドラインとなる日本製ゲームの少なさが気になりはしちゃうところですが、年々減ってるのでしょうがないところでしょうか。
上でピックアップした3作品など、欧米ではこの手の大作をAAAタイトル(トリプルAと読む)と呼んでるんですが、どれも練りの積み上げがホントに素晴らしく、かつ、初心を忘れない手堅い仕事でついてくるファン達を唸らし続けているのはお見事。
いずれまた、日本からもNaughty Dogくらいメキメキ頭角を出して、世界のヘッドラインニュースをぐわんぐわん言わせるゲームが出ることを祈りつつ、今年のヒットタイトルを楽しみにしたいと思います。
うほ?と思ったゲーム機
XBOX360がブルーレイを採用せず、DVDディスクと発表した際にビル・ゲイツ氏は「どっちにしろ、次世代機でディスクはなくなる(ネット配信に統合される)」と予言してたところですが、気がついて見るとPS vitaはディスクじゃないけどロムパッケージ、任天堂の新型ゲーム機、Wii Uもディスクパッケージという仕様で、即ち2010年台もパッケージビジネスは残るという、一昔前の予測、風潮から見ると意外なスペックに。
個人的な予測&期待としては、欧米ではPS vitaはようやく右のアナログ入力がついたことでFPSが普通に出来る用になる上に、3Gでどこでもいつでも対戦し放題ということで、CoDを始め対戦FPSを中心に結構売れるんでないかと思うんですが(技術的にはAT&TのシンメトリNATでP2Pで100万セッションとか鬼のようなことになるだろうなと思う)
それに伴って、これまでMMOなどのネトゲはPCの前に張り付いて廃人プレイを要求するようなスペックでしたが、モバイルで好きに持ち出してプッシュ通知で必要な時に仲間から呼び出されるっていうプレイに変わってくというか、作る側的にもソーシャルゲームの気軽さとの対比からそういう作りを求められるようになるというか、
端的に言えば、重い印象だったネトゲが文字通りモバイルで気軽に遊べるようになる、かつ、したメーカーが覇権を獲る、と、ゲームの仕事としては極当たり前の競争が順調に続くんでないかなぁ、と、予想というよりアタリ前だよなってことで、早くそんなゲームが出ればいいのにってのと、CoDと、WoWが日本語対応でさっくりPS vitaで遊べたら3G版買って遊びたいな、とか思いました。
Wii Uに関しては賛美両輪、現時点での情報でも色々と感想が飛び交ってますが、個人的に言えるのは「そんなに毎日起動して欲しいんだったらアプリのアイコン一覧からタッチ一発で1秒以内に起動するOSにしないとムリ」ということで、Wii Fitにしろ、ディスクをいれてロードを選んでタイトル画面でスタート押してって、現代ッ子的に超ムリなんですけどとしか思えず、ハードとしてタブレット+タッチを備えたなら、その辺のユーザビリティを備えるかどうかで「誰も使わなくなったWii」と同じ運命をたどるかどうかが決まると思わざるを得ないところ。
ハード的にはスペック発表されてないですが「PS3/360と同等のゲームはムリ!」と言われてたWiiを反省してWii HDを作らねば、と、陰に陽に噂されてたことから、近代的なシェーダーを備えて360/PS3以上に影のエッジや草がキレイに出る、でもゲームは一緒、って感じでいいんじゃないかと思いますし、スペック的に優位ならマルチタイトルなら一番いいスペックの機械で遊びたくなるので、Wii UをもってるならWii U版パッケを買うとは思うのですが、そもそもWii Uを買うかどうかは、任天堂が目指してる日常的な使用に耐えるユーザビリティを実現したかどうかなわけで。
かつ、任天堂が近代GPU/CPUのOS開発に挑むって実は全く予想ガイの事で、その辺どうなっちゃうんだろう、というところで。
端的に言えば岩田社長が「死んでもAppleに負けるな。これは聖戦だ!」くらい号令をかけてるかどうかが気になるところではあります。
超裏を書いて「Wii UのOSは実はPalm OS!」とか歴史を揺るがす大勝負がまた勃発したら面白いんだけどなぁ、とか思いました。
うはぁ!と思ったApple
っと、前節で疑問視した違和感を限りなく解消してしまったのがApple。
パッケビジネスから脱却し(OSもとうとうDL販売!)、あらゆるアプリが瞬時に起動し、明確な課金管理のしやすさからいろいろなビジネスも仕掛けやすい、なにより毎日使って貰いやすい。開発業にとって「毎日使って貰いやすい」ことの重要さはハンパなく、今回の発表でよりユーザーの生活に密着しやすいものが新たに作れる様になったのはまた喜ばしいことです。
まさに夢の王国、っというか新社屋は既に豊臣秀吉もびっくりのスーパー近代建築に。
新ハード発表以外にも社屋の建設計画だけでも注目高いというか、ジョブス氏の偉業と体調を思いながらこの動画を見ると、一塩クルものがあります。
クパチーノ市議会で新社屋説明をするジョブス氏
ともあれ、今回の発表で、未来を変える、と思われるものはやはり、iCloudとTwitter統合かな、と。
他もデカイものはいろいろあったんですが、この二つはやはり他人事じゃない、というか、ノルしかない、このBigWaveに、なわけで。
まず、iCloud、実はポケベガもクラウドサービスを作ってた矢先だったのですが、iCloudが全てを統合してく勢いだったので自社開発は余裕で断念し、こっちに移行は必須という感じです。
端的に言えば「複数のデバイスでプレイを意識することなく行き来できる」、まぁ、わかりにくいっすよね。
RPGで言えば電車の中ではiPhoneでプレイして駅についたからアプリ終了、家に帰ってiPadで起動したら、そのまま続きになってるとか。
iCloudによって、「そんなわけあらへんやろぉ〜」という様な機能を実装するためのAPIが標準で提供されちゃったと。
これまでもiBookで、どこまで読んだかを複数デバイスで自動同期、とか、カレンダーをMac/iPhoneで同期、とかいろいろありましたが、「もう、なんでも同期しとけよ」と1年後はユーザーが当たり前に思ってしまう、開発の立場から見ればまた厄介な蓋が開いてしまった感じなのですが、TwitterにしろFacebookにしろ、自分が読んだものとかバシバシ同期してくれたら言うこと無いわけで。
「なんでも同期してくれてステキw」と思えるあれこれが来年中にはクルんですかねぇ。
逆にやらないと「ヤダ、遅れてる」と言われちゃうの必須で。
そんなわけでiCloudの登場と、続々と追従するiOSアプリ群に慣れちゃうと、またしばらくApple最強すぎるよって感じさせてくれたりしました。
あとはTwitterの標準サポートも驚き。
「国民総ソーシャル」的な勢いの昨今、FacebookかTwitterかという二択でWindowsPhoneがFacebookを率先して取り込んでいたのに対し、iOSではTwitterへ。
即ちネトゲなどのオープンなコミュニティではTwitter前提で、、という流れが加速、というか鉄板になること確定なわけで、もともとポケベガも「何年かかけて、そういう世の中になったらいいな」と思ってたことがいきなりガチになってしまいました。
元々ポケベガってソーシャルゲームとか全然意識なく作ってるもんなんですが、やっぱソーシャル要素あったほうが対戦の熱さも変わってくるので、iOSユーザーがどんどんTwitterアカウント取ってく=即ちいろんなゲームがより面白くなるってことで、これまたiOS/Macでのゲーム文化は加速するんでないか、という期待をしています。
Apple vs ゲーム機ゲームの戦いの今後
「そもそも戦ってるんすか」という話ですらありますが、冒頭の感想通り、Appleの話題がE3などのゲーム業界に与えた影響はあると思うし、端的に言えば、ユーザーへは共存共栄になるのが一番なわけで、なんつっても「ちゃんとしたアナログスティックついたタブレットってゲームにはやっぱ欠かせないぜ!」ってPS vitaやWii Uは思わせてくれるし、「瞬時にアプリを起動してくれる堅牢なOSがたまらん」というのも、一端それに慣れたユーザーには欠かせない魅力なわけで。
しばらくすれば、それらの長所はお互い吸収されあいつつ、各長所、時流にあわせたアプリの開発はちゃくちゃくと出来てくわけで、そういう意味では「いいモノが発表され、いいモノが続いてく」誰もが得するナイス発表が山盛りの良い年だったんでないかと思います。
強いて問題点を言えば、激流の時代過ぎて舵取りに一瞬たりとも気を抜けなかったり、全く気配がなかった所に高波が来て転覆(作ってたサービスがAppleに標準対応されて潰される)などが多すぎるところなんですが。。。