ディープインパクト in 2011

最近の正月三が日は実はかみさんと子供が実家に帰省して自分は限定独身生活。

元旦から気兼ねなく仕事が出来る、というのもいいんですが、さすがにそれも「なぜ俺だけ」という気もするので、ゲームやったり酒飲んだり。

そんな中、「なぜこんな時に」というくらい油っこい同業者から長電話をくらい、新年ながら、酔っぱらってる時ならではのブログを一筆書いてみようと思ったりしました。


なんといっても儲からないゲーム業界

私「遂にウチの近所のゲーム屋さんが全滅して、かろうじてモンハンとポケモンだけ売ってる雑貨屋だけになったんすよ」
友人「スクエニの凋落が及ぼした業界全体への打撃がハンパないよねー。売れるはずのもんが売れなくなったし、客も離れるのも当然だし」
私「3DSで再度盛り上がればいいっすよねー。ウチの近所でゲーム屋さんが再度開店することは難しそうだけど」
友人「3DSへの期待と盛り上がりのギャップがまたハンパないすね。全く3Dという需要もない上に小さい子には目の影響的に売れないと一時期の小売りを支えてた教育ゲームとか、相当難しいし、潰れたゲーム屋が再建することはないっしょ!とにかくゲーム業界の暗さはハンパないよね」

っと、実際↑は大晦日に突然かかってきた電話で、暗い話を散々してしまったというか(^^;

なんといっても、従来業界を支えてきた収益の構造ってのは永久に復活しないっしょ、っていう話に終始したというか、今ウチがフィールドにしてるiPhone/スマフォ、といった分野も過渡期の間は十分な収益は回り難いのが実情。

平たく言えば、過渡期につきものの氷河期であって、氷河期といえば「食い扶持のデカイ生き物がばたばた餓死して、小回りの効くちっこい生き物が台頭していく」というパターン。

実際、氷河期を生き残っても厳しい競争は続くんですが、温暖期にあった木の実(街のゲーム屋さんなど)はばたばた無くなっていっております。。
どちらにせよ氷で覆われた大地に作物が実ることはなく、洞穴に入って保存食を食おうにも巨体だと穴に入れませんということもあるとか、氷河期だよなぁ、、という話は、、毎回(ファミコン終盤、PS終盤等等、)あるんですよね(^^;

しかし、そこを生き残ると新しい春(かつてのプレステの春、DSの春など)があるので、iPhone・スマフォの春が芽吹くのを待ちましょう、というのも既に定番の話。

っていうか↑も定番の話で「懲りもせず10年周期で毎回よくこんな話こってりとするよな」と思う自分もいたりします。



ゲーム業界で思う事

なんと言っても↑のような寒い話を定番的にするのは寂しいし、やっぱ活力あっての商売なんで、みなぎる力でばりばり働くためにもイイ刺激が巡って欲しいところ。

そういう刺激の機会として、ゲームショーなどで同業他社の活気溢れるラインナップを見るべき!!というのもあったんですが、そのゲームショーがちょっと寂しい。

ゲームショーはCESAなる、ゲーム業界協会が運営されてて、ちょっと気になる点としては。。。

  1. 会長はスクエニの和田社長
  2. ゲームショーは絶対に任天堂が参加しない

正直、1の和田社長はとても精力的に尽力されている、、というのはかつてお世話になった会社だからこそ知ってはいるものの、客観的に見れば「世界一つまらん評価を更新し続ける会社」であり、業績だだ下がりでもあり、どうしても「お客が求めてるものがわかってない」イメージがつきまとう、というか、多分わかる気もない(会社の平均年齢上がるとゲームを遊ばない人も増えてしまいがち)、、という会社が主導権をもってるショー、、で、任天堂も参加しない(これはスクエニの所為ではないですが)

ところで最近こんな本を読んだのですが

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

昨今、Appleの素晴らしさにすっかり心奪われていますが、ジョブスのショーマンシップや「客が求めてる以上のモノを演出する」力、は、超能力などではなく、どれだけ細心の注意、熱意ある練習から生み出されていて「それらは誰だってやれば出来るハズのこと」ということを詳解した本であったりするわけですが↑

東京ゲームショーの基調講演をジョブスがホストして、ゲストに宮本さんを呼んで全く新しい製品のデモとかしてくれたらどんなに素晴らしいことでしょう」

など思ったりするのですが、ジョブスが来るのはありえないとしても、CESAなどのゲーム業界協会を任天堂が仕切る、でもいいんじゃないかと思うんですよね。

なんで任天堂が仕切らないかといえばSCEソニー)が黙ってない、とかあるかもしれないですが(なのでファーストパーティじゃなくてサードのスクエニがやってるなど)

そんくらいしないと、ウチの近所どころか全国からばたばた潰れ消えてゆく小売店が回復するくらいのポジティブな影響って難しいと思いますし、下手すればホントに氷に覆われた氷河期になってしまうので、かつてHD-DVD vs ブルーレイも早期に決断してブルーレイに一本化したくらいの腹のくくりがないと、開発、小売りを含めたゲーム業界全体が今年は凍りきるか再燃するかの分かれ目なんじゃないかなーとか思ったりしました。


ゲーム業界と他の業界

「世界的な競争に晒されてマジで氷河期」を全体が意識して腹をくくって大変換をして世界に出て行く、というのは実は自動車業界のがよっぽど先に経験をしていて、結果、世界にTOYOTA、HONDAの工場があり、英語でやりとりし、開発・生産・販売のフローも確立されていますが、そこに至るまでの追い詰められっぷりから見れば今のゲーム業界は全然余裕なのかも知れません。なんせ自動車業界は欧米の先進の車が溢れる中に、わざわざ貧弱な生産力の日本車を売り込むという超逆境を味わいましたが、逆に日本は欧米の先進の車よろしく、先進のゲームを作ってきた中で欧米の台頭に押されてる、などなど。

実際問題、欧米の自動車メーカーは腹をくくる判断は遅かったですし、その代償もたくさん払う結果も多々あったり。


そんなこんなで、31日の大晦日に2時間も長電話をして、暗い話を散々聞いたあげく思ったのは「ゲームショーでE3やWWDCくらい、クワっとくるショーの盛り上げがあったり、CEDECでゲーム開発者のハートを鷲掴みにする、新時代を切り開くクリエーターの基調講演があったりすれば、暗い話も徐々に晴れてくかも」と言ったりしたんですが、そーならないかなぁーというブログを元旦に一人焼酎を飲んで書いてみたりしました。

個人的な気持ちとしては、ゲーム業界の人の気持ち、というより、Appleの動向を追ってるおかげで「こうして人は盛り上がることが出来る!」をいろいろ勉強させてもらってることと、2011年というフェーズは↑そうした方向転換をいろいろ模作しごろでもあって、面白いんじゃないかなーと思ったりしました。

街の小売りが減る現実は寂しいですが、「これじゃいかん!」と思ってる人は本当に多いので、そうした気持ちが今年花咲くとオモロイですね!


願わくば、世界のゲームファンが日本に押しかけるゲームショーが開かれるような転換期がそろそろ起きないかなという妄想をよっぱらった勢いで言ってみました。駄文ですいません〜。