WWDCの風速

WWDCから帰って参りました。セッションの内容等は守秘義務があるので口外出来ないのですが、雑感として思うことなどを。

雑感を列挙すると

1.とにかく開発者は総じて予想以上の熱さと風速
2.アプリでの商業的成功へのアプローチ
3.ヒットアプリ作者との交流

まず、1から

とにかくセッションを聞きながらXcodeでビルドしてる輩はざら。
3.0の新機能のセッションを聞いたり、ラボ(Appleの開発チームと直接フリートーク出来るスペース)で「これでイイんですかね?」的に確認したら即新機能アプリを提出というまさに激流、そして夜にはパーティで「ウチもMap対応アプリ(3.0の新機能の一つ)さっき出しましたよー」って、どう考えてもその日にカンファレンスに出てた人とは思えないくらい素早い話の連続で、iPhone発売初日から溢れ出るほどのアプリが出る源流を見た思いでした。

私もすっかり感化され、新作アプリを持ってたのですが人に遊んでもらって感想をもらう度にその場でMacBookを取り出してチューニングする癖がついて、しまいにはWWDC終わって日本の自分ちの駅に着くまでXcodeいじってました。

っというか、そもそもにして一面見渡す限りのMacBook畑で、それもProの方が多いくらい。持ち運ぶモノとしては小さい方がいいってのは通じないのか??

そしてセッション中に使うMacBookはホントに便利。開いてメモってすぐ閉じられる、まさにノート感覚で使える。開いたあと、しばらくちらちら見ながら復帰を待つようなノートパソコンとはまさに雲泥の差。セッション中はほとんど手書きの人は見受けられず、基本的にMacBookでメモ、ひどい?人になるとその場で実践(これがむしろ普通に思えてくるから怖い)
無線LANは会場のどこでも使えるのは無論のこと、セッションを聴講する席のほとんどに電源タップ。有線LANケーブルもいろんなところでにょきにょき生えてるので、巨大なSDKをダウンロードしたくなったらそこに指せばギガ単位のダウンロードもさっくさく。いろんなとこで新SDKやSnow LerpardのPreview版インストール画面が見えます。

とにもかくも、ジョブスがiPhone発表時に「5年は先行したデバイスだ!」と自負した原動力がこの場に満ちあふれてる。
逆に言えば、この活気が5年後に他社のプラットフォームでもあるかと言うと、とてもじゃないけど想像が出来ない。もしかしたら人生で一番、開発者達が水を得た魚状態で活気盛んにいろんな挑戦を打ち出す場に居合わせたのかも知れないし、自分もそうならなければという焦りに似たモチベーションを感じます。


2.アプリでの商業的成功へのアプローチ

アプリ開発者間の話題でメジャーなのはやはり「どのくらい売れました?」なのは正直なところ(^^;

弊社の初アプリiNinjaも会場にアイコンを張り出してくれてたりして、ちょっと嬉しかったのですが、正直売り上げのほとんどが日本だったので張り出してくれてたのには実は驚きました。感謝!


次々とお会いする日本の開発者の間で日本のiPhoneアプリ市場は厳しい(収益としてパイが小さい)というのは同一見解。その中での商業的な成功は常に熱いトピックだし、海外での売り上げ拡大はもっとも重要なファクターで、その鍵を握る海外の人がひしめくパーティに参加するのは熱が入ると言うモノ。とどのつまり、ゲーム関係者なら海外で最大級のサイト運営をしてるTouch ArcadeやSlide to playの人タチに会えるのはとても有意義だし、もっと言えば自分のアプリを見てもらいたいというのが正直なところ。実は今年のGDC(3月に開催されるゲーム開発社の集まり)には行かなかったんだけど、友人が「Touch ArcadeやSlide to playと会って来たよ!」と言うのを見て「行っときゃよかったー!」と悔やんでた。

逆に言えばそんな山っ気のある人でひしめいているので、列をなしてメディアの人にアプリ見せて、っとなっちゃうと大変だよなぁ。。。と思ったのもあって、最初っから見て欲しいアプリをiPhoneで起動しておいて、ストラップにつけてオートプレイモードで首から下げて、目をくれた人に手当たり次第に遊んでもらうという無差別モードでパーティに参加。おかげ様で名刺が100枚溜まると同時にお目当てだったメディアの方も釣れて?釣果としては満足でした。

逆にいろんな人のアプリも見せてもらったり、狙いの話を伺ったり。そんな中で何人かの人とも共感だった点は値付け。今のウチの方針的な話でもあるけど、収益をとるのに115円でたくさん売るか、800円とかやや高額な値段設定をとるか。
これは一般論でもあるし、目下のところの方策でもあるんだけど、需要の決まってるニッチ向けにはクオリティを高めて満足度と定価を上げ、方向性は特に決まってるわけではないマス向けには新規性にサプライズを打ち出すと同時に導入価格として定価を下げる。簡単に言えば定番アプリは機能勝負で高価格。全く新しいゲームなどは導入価格を下げてサプライズ的な満足に。必然、ニッチ向けは作り込み期間が重要で、後者は何が当たるかわからないので短期間で一定以上のクオリティと量をこなすこと。(例としてはWindowsMacが象徴的?)

そういった指針をベースに「ウチはマス向け」「ウチはニッチ向け」という切り口でブランド強化の方策を話したり、お会いする有名アプリ作者が次にどっちよりに注目してるかの話などを交わしたり、いろんな目線でのアプローチ策を話し会えるのもまた、有意義なことの一つでした。

3.ヒットアプリ作者との交流

お会い出来て光栄なヒットアプリ作者と次々にといろんな場所でお会い出来ました。ランチスペースで、休憩所で、近所のスタバで、パーティで、絶えず見たことがあるような人が並んでいるので、ご挨拶と同時に上記の様な市場話に花が咲きます。
お会いした中でも「ユメみるiPhone」の著者・徳井氏とお話したら、一冊本を送ってくださるという話を。実は講義で教えてる生徒への紹介用に買うか迷っていたので渡りに船でした(^^)

やはりいろんな作者の方々に会えるのはこういったカンファレンスの意義のかなりの割合を占めるんじゃないでしょうか。

願わくば、実際のところテーブルを共にしてお話ししたほとんどの人は日本人だったのですが、せっかく世界の著名開発社が集ってるので、もっといろんな人と話せばよかったと力不足を後悔。

しかし、iSamuraiを出した人たち(アメリカ人?)とは一発でウチ溶けました(笑)
おまけにタイムリーに「iSamuraiってあるけど知ってる?」ってメールが友人から送られてきたりして。


4.その他

Snow Leopardもメジャーな変化はないと公言してるんだけど、凄く楽しみ。

Windows XPは発売3年後にやっと買った口で。Windows2000に馴染んでたので、なんで3万も払って、いけすかない見た目のOS買うんだよと思ったもんでしたが(無論のことVistaは未購入)、個人的にはMac買って半年で新OSが出るってんだから今までの考えなら「ふざけんなよ〜!」なところですが、感想としては「うっそ〜、素敵すぎぃ〜〜!!」と完全に洗脳(笑)された興奮。地味ながら強靱なパワーアップのオンパレードと超低価格は魅力抜群。初日購入は間違いないでしょう。

5.まとめ

iPhoneすげぇ、とはよく聞きますが、実際にアメリカ行って「どこ見てもMacBookiPhoneしかねぇ」くらいの勢いを見ると、対比として「日本じゃiPhoneは失敗」とまで言われてるのもちょっとわかる気がします。だってあんなにiPhoneある国ないですよ。
っと、ホーム(地元)にはちょっとビハインドがある状況ですが、とにかくそんな空気は吹っ飛ばして爆発するくらいの勢いがなきゃどーにもならん、というくらい修羅の国ということはよくわかりました。もうそれはお金やスキルがどうというレベルを超越して、朝6時に基調講演に並んでお昼にアプリ作って夜には提出して深夜まで飲む、そんなアホみたいな話が間違いなく実在しております。ヒットメーカーみんながそんな人、なわけじゃないですが、そんな勢いで明日のヒットメーカーが育っちゃってるとは思います(しばらくアメリカで1位だったStickWarsは初のC言語でのアプリ制作だったそうです)

こう書くと、熱気や活気や気合とかそんな感じがしちゃいますが、とりあえずセッションぶっ通しで真面目に聞いていれば、必然それくらいの助走がついちゃうと思うので、あとは「モノを作りたい」という意志とどう融合させてアプリ完成という着地地点にぶっ込むか。
WWDCはそんな今年の激流の源泉だし「2009年からみた5年は進んだデバイス」の威力はこれから半年(おそらくもっと早く)で市場に激突してくるのは必死です。

弊社もOS3.0向けの新ゲームはゾクゾク進行中で、上記のエッセンスはたっぷり入れていくつもりですが、たぶん全体的に一気に3.0対応がひしめくと思うので、1ユーザーとしてもとても楽しみ。改めてiPhone市場を楽しみながら頑張ります!

WWDCを楽しんだ同志の方々、お疲れ様でした!

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